Xcodeでは、もともと標準でバージョン管理システムがサポートされていて、GUIでのcommitなどの操作が行えるようになっていた。が、それはCVSからはじまりsubversionとなっていたのだがレポジトリの作成などは外部ツールで行う必要があった。nibファイルを使っている時代にはバイナリの管理が難しかったが次第にxibで差分管理可能になり、projectファイルもxml化するなどしてバージョン管理システムとの整合性も高まっていた。
それがXcode4ではgitが標準になり、プロジェクト作成時にローカルの管理ファイルを作成し履歴もGUIで見られるなど簡単に利用できるようになった。
ということで遅ればせながらgitについても勉強してみることにした。
この本は非常に薄く読みやすい本ではあるが、基本的な部分はきちんとおさえていて大変理解しやすく役に立つ本だと思います。
基本的なコマンドや日常よく使うgit利用のパターンを中心に、クックブック形式で実際のサンプルを作りながら憶えられるように書かれているのがとてもよい。
その分、複雑なコマンドや細かな管理手法までは書かれていないし、どのような内部構造になっているかや.gitフォルダ内に作られるファイルは何かなど深い内容は書かれていない。
だが利用者として接する場合にそこまで必要なケースは少ないと思う。特にgitは分散開発のための仕組みになっていてローカルの履歴ファイルが簡単に作成できれば、それほど複雑なことは知らなくても十分使いこなせるもの。
ブランチの使い方なども本来複雑ではあるが、こういう場合にこういうブランチを作ろう。とか、終わったら削除して複雑化しないよう心がけようとか。実用的な手法の開発サイクルを紹介しながらgitを使いこなせるようにしているのがとてもよい。
時間があれば内部構造などについても調べたいと思った。とりあえず何もわからずにaddしてcommitしているだけでは不安だから、少なくてもどういう管理をしているのか、何をすればいいのかが分かって使いたかったので、簡単に読める本書はとても役にたった。
この本を読むまでは分散管理ができるシステムだとは知らなかったので、Xcode がgitらしきものを作成してくれているようだが、レポジトリに登録しないので使えないと勘違いしていた。本書を読んで安心して使えるようになった。だが、いずれどこかにリモートのレポジトリは作る必要がある気がする。