2018年03月05日

「Unityの寺子屋 定番スマホゲーム開発入門」



そろそろUnityも使ってみようかなあと思いわかりやすそうな本を読んでみた。

かつて話題になったMagic Readerの共同開発者の一人が監修・著者の本。ただしMagic ReaderはUnityじゃないはず。

図版が多く、ステップバイステップでほとんど省略がなく「〜と同様に」という手順も簡略化してではあるが決して省くことなく記述してくれているのでしっかり手順を追って作成していけば初心者でも実際に動くアプリを作成することができた。


目に見える部分から動かしながら作って行くので、今何をやっているのか?これをすれば何ができるのか?がわかりやすく興味を失わずに学習できるし、今やった修正がどう反映するのかすぐにわかるのもよい。

Unityを触ってみた感じ、多くは画面上でのレイアウト操作や各種パラメーターの設定でできる。なのでどこのパラメータをどう変更するのか図版がなければわかりにくいところだが、この本では迷子にならずに再現できるようになっている。コードが中心だとサンプルプログラムを自分で解析して「こうやるのか」と習得できるが、画面操作中心のこういう開発環境だとサンプルプログラムがあってもどこが変更されているのかどういう順序で変更していけばいいのかわからなくなるので、教則本は重要だ。

この本でもC#で書くコードはかなり少ない。なのでプログラミング初心者であってもそれほど難しくなく実装できるだろう。私もC#の経験はほとんどないが、ほぼC#の文法を気にすることなく、を使っている実感のないまま読み終えることになった。C#を知らない人でも擬似コードを読むのと同様に理解出来る程度の驚くほど少ないコードで実現できている。

C#の基本文法は姉妹本の『UnityではじめるC#基礎編』の抜粋をPDFでダウンロードできるようにしてくれているし、本当に難しい部分もわずかにあるが解説してくれている。



2種類の2Dゲームアプリ開発をクックブック形式で進めたが、実際に画像リソースを自分で作ってロジックを少し変更すればオリジナルのゲームアプリが開発できてしまいそうな勢いだ。

不満があるとすれば、
・実機での動作確認が不十分
・1画面の大きさに収まるゲームしか作れない。一応サンプルでは横スクロールにも対応しているがわずか1ページでそういうのがあるよとの紹介。
・アプリとして完成させるのにこれで十分なのか?足りない気がする。
・オブジェクト指向の機能は使っていない。
・データアクセスに一貫性が感じられない。publicで変数を公開してアサインする場合と、private変数にしてGetComponent()する場合があるがなぜ変えているのかがわからない。

またUnityのシステム構成や全体像、動作原理などなぜそういう記述をすればこういう結果になるのかを知る裏側の部分がほとんど記述されていない。なのでこの本で学んでいないことをやりたくなってもどこから手をつけていいかわからない。が、それは入門書としてあえて記述していないのだと思う。そういう裏側のことを書くと混乱して難しく感じてしまう。目に見える部分で、必要最小限のことを実現できるわかりやすさと天秤に掛けた結果こういう記述になったのだろう。またそういうことを記述するとそれだけで一冊できてしまう。それぐらいUnityは奥が深そうだ。

書籍の図版はWinodws版。私はMac版で使っていたが、ファイル選択時の画面が違う程度でまったく問題なく操作できた。マウスを使っていないので、1箇所だけマウスボタンダウン操作のアクションを、ボタンクリックに変更した。


出版社サイト内のデータダウンロードページ
Unityダウンロードページ
Unityドキュメントページ
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【本書の構成】
Chapter 1 Unityの基本を身に付けよう
Chapter 2 放置ゲームをつくろう
Chapter 3 放置ゲームに演出を加えよう
Chapter 4 クッキークリッカーに改造しよう
Chapter 5 サイドビューアクションをつくろう
Chapter 6 サイドビューアクションを仕上げる
Chapter 7 アプリ販売の寺子屋
ラベル:unity ゲーム
posted by 永遠製作所 at 06:54| 東京 ☀| Comment(0) | iPhone/iPod touch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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